薬局の在宅医療をはじめるときのポイント解説

薬局で在宅を始めたいと思っているんだけどとお悩みの方に

  • 薬局の在宅医療ってなにをすればいいの?
  • 始めていくときの注意点は?
  • いざ在宅をやってみよう。

と言った薬剤師の疑問にお答えします。(ここでは薬局の届け出関係は済んでいるものとして実際の業務について話します)

薬局の在宅医療はなにをすればいいの?

これは薬局が勝手に在宅医療は始められません。まずは患者様との信頼関係と処方医との信頼関係がないと成り立ちません。
そうです。処方医の訪問服薬指導の指示がないと保険請求してはいけないのです。まずは処方医から訪問服薬指導の指示をしてもらいましょう。
実際、指示をもらうのも大変です。先生と薬局の信頼関係が必要です。また、患者様も訪問してほしいと思ってもらうまでの信頼関係が必要になります。あとはケアマネやヘルパーさんと親密になってそこから先生に話してもらって訪問の指示をもらうこともあります。

さて、訪問服薬指導の処方をもらった後ですが、まずはその方が介護保険をうけているか、医療保険を使って訪問するのか?病院や患者様に確認しましょう。

介護保険を使うときは3種類の書類が必要です。

重要事項説明書

契約書

個人情報使用同意書

以上の3種類をそれぞれ2部ずつ用意しましょう。

この時のコツとしては、患者様の住所や名前は印刷しておいて、患者様の印鑑だけ押していただければよいように用意しておくとスムーズにいきます。(患者様は新規の時は契約書を病院や看護師、介護事業所などにすべて記入しているので同じ住所と名前を書くのはかなりめんどくさい作業になります)

薬局の在宅医療で準備するときに他に注意することは?


お会計のことです。現金と引き落としの両方を選べるようにします。(振込でも可)
現金のメリット・・・在宅終了したときに支払い関係は患者様とはしなくてよい。
デメリット・・・残薬などがありいらないといわれた時など処方変更になったときに手間がかかる。
引き落としの時はその逆です。(私は引き落としの事務さんの手間の大変さを目の当たりにしているのでなるべく現金にしています)

さて、ところでお薬の準備はできていますか?
これも実は結構大変で、基本は一包化ですが、患者様によってはPTPシートが良かったり、一包化でも日付を入れてほしいなどのニーズもよくあります。
作る前に患者様に確認をしましょう。病院の相談員さんから情報をもらえることもあります。それぞれのニーズにこたえて準備終わったら患者様の都合をうかがっていざ出発。

ここで注意することは、どのくらい離れているところへ行くか、患者様に時間を合わせて行って、薬局の調剤室のほうは自分が留守にしても業務が回るかなどいろいろ考えなくてはいけません。
患者様に行く時間をうかがうときは、2,3通りの時間を用意しておいて「この時間でいかがでしょうか?もしくは違う時間だとこの時間があります」などと選択肢を与えて進めるのもよいです。(急ぎの薬がない場合)

では到着します。まずはお薬の訪問服薬指導についての説明をしましょう。ここで大切なのは患者様の空気感を読むことです。患者様によっては時間に限りがあって早く終わらせてほしい方、逆にじっくり説明を聞きたい方がいます。さっと終わらせたいか、話を聞きたい人なのか空気を読みましょう。もし読めないのであれば「お時間は大丈夫か」と確認しましょう(薬局としてはさっと終わらせたいところですが)

さて、そうしたら薬の説明をしましょう。まずは残薬がどのくらいあるか、ポイントは今回の処方で次回の訪問はいつまでに来なくてはいけないかの確認作業です。多くは数日~10日前後は余裕がある形になります。(容態が安定していて処方変更が起きにくい体調の時)もし、お届けした日に残り1日とかぎりぎりだったときは病院に次回往診予定日を確認し、7日くらい余裕ができるように日数を増やしてもらいましょう。ここはかなり大切です。次回もぎりぎりになると、予定がタイトになり、薬局の調剤とお届けのスケジュールが大変になるからです。

新規在宅を始めるときに重要な注意する点

注意点としてもう一つあります。患者様の在宅が新規で、在宅の病院の処方が初めての時、(大学病院に入院→近くの診療所で在宅訪問になったときなど)処方内容が今飲んでいる薬と今回処方もらった薬の内容が同じかどうか、変更があったときはそれが適切かどうかを確認しましょう。
このオーダーミスは結構な確率で起きます。(私の肌感覚では20回に1回くらいはあります)一番やばいと思ったのはアムロジピン2.5mg1錠でのんでいるのに新しい処方ではアムロジピン10mg1錠で出ていて、患者様に伺ったら変更の話は聞いていなく、血圧も安定していたので診療所に問い合わせたところオーダー見ると判明・・・そのまま出していたら倒れちゃうかもしれませんね・・・

まだいろいろありますが、今回はこんなところということで。次回はこの後の報告書の書き方などについてピックアップします。

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